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第103回全国高校野球選手権

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第92回センバツ注目校/7 尽誠学園(香川) 目標宣言、効果抜群

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かけ声に合わせて一斉にジャンプする尽誠学園の選手たち=山田尚弘撮影
かけ声に合わせて一斉にジャンプする尽誠学園の選手たち=山田尚弘撮影

 <第92回選抜高校野球>

 徳島・オロナミンC球場であった昨秋の四国大会準決勝で岡豊(おこう)=高知=に13―2で六回コールド勝ちしたのを見届けると、スタンドから球場外に出てきた尽誠学園の元監督で顧問の大河賢二郎さん(74)は感極まった。10年ぶりの同大会出場だった同校の18年ぶりの決勝進出に、こみ上げてくるものを抑えられなかった。

 社会人野球の鐘淵化学を率いて1975年の日本選手権を制し、79年4月から98年1月まで同校監督を務めた。チームは83年春に甲子園に初出場し、谷佳知(元オリックス)を擁した89年や92年の夏の甲子園で4強と強豪に成長。だが、最近10年間での甲子園出場は2016年夏のみで、低迷が続いていた。

 02年からコーチを務め、17年11月に就任した西村太監督(40)は「勝利至上主義の指導になっていたかもしれない」と振り返る。18年7月にはコーチによる部員への暴力行為が明らかになり、西村監督も報告遅れで同10月に復帰するまで謹慎処分を受けて退任した。

 再就任後に意識したのは「自主性」。選手との対話を増やしたほか、試合前に選手個々が「チームのしんどいところで一本打つ」などと発表する「目標宣言」を導入した。4番・遊撃手の仲村光陽(2年)は「モチベーションが上がる」と効果を指摘する。各自の役割も明確になり、四国大会で3度の打者一巡の猛攻につながった。

 今冬も選手の意見により、スイングの力を強めるためにサーキットトレーニングでは腕立て伏せを加え、ミニハードルを跳んで体に切れを出すメニューを採用。西村監督は「動きが変わってきた」と目を細める。19年4月に岡尾拓海(23)、津田空知(24)両コーチが就任し、二つある寮の寮監にも就いたことで、年齢の近い部員たちが気軽に相談できる環境も整った。

 センバツ出場は2年連続8強入りした第74回(02年)以来18年ぶり。ユニホームの帽子などの色は4年前に紫紺に変わったが、今大会からかつての黒に戻す。強豪復活に向け、甲子園に臨む。【藤田健志】=つづく

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