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ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞

東京五輪で使うコースで代表を決めた羽根田卓也=東京都江戸川区のカヌー・スラロームセンターで2019年10月20日、大西岳彦撮影

アスリート交差点2020

行動が夢を叶える 課題見つけて試行錯誤=カヌー・羽根田卓也

 オーストラリアのシドニーにいます。毎年恒例の長期合宿で、3月中旬まで滞在する予定です。ケガや病気でプラン通りに進むことは少ないのですが、今年はすごくいいトレーニングができています。シーズン後は年末から年明けにかけてカヌーに全く乗らない期間を作り、その間は陸上トレーニングを中心にします。そこで磨いた体をいかに実践に近づけられるかが重要で、合宿は時間をかけてじっくり取り組めるのでとても貴重な時期です。

 今年は世界トップレベルのスロバキアの選手と一緒に練習しています。彼はまだ東京五輪の代表争いをしている最中。モチベーションも技術のレベルも高い選手と練習することで、自分の課題がより浮き彫りになります。いいカヌーができていても、課題は次から次へと見つかってくるものです。発見があるのと同じぐらい課題もあると考えてもらったほうがいいかもしれません。発見があればレベルアップしたような感覚にもなりますが、課題に目を向けられなければ成長はありません。どんな状況でも試行錯誤の姿勢は変わりません。

東京五輪の会場でカヌーをこぐ羽根田卓也。本番では速い動きや切り返し、迅速な判断力が問われる=東京都江戸川区で2019年7月6日午前10時33分、手塚耕一郎撮影

 例年は9月の世界選手権にピークを合わせますが、今年は五輪シーズンのため、例年よりも約2カ月早めます。東京五輪のコースを見据えて自分のカヌーを作り上げていかなければなりません。本番のコースは幅が狭いため、短い距離での速い動きや切り返し、迅速な判断力も問われます。速い動きを想定したバランスの取り方や細かい技術が求められる戦いになるでしょう。特に最近はコースの中に設置されるゲートの間隔が短いなど、設定が難しい傾向にあり、その対応も必要になります。

 合宿で使っているコースは、2000年シドニー五輪で使われた人工コースで川幅も広く、距離も長いため、持久力やこぐパワーが求められます。東京のコースの特徴とは正反対です。こいでみてしっくりこないこともありますが、感覚の違いだけで何かを変えてしまうことには気をつけなければいけません。東京五輪のコースをイメージしながらこぐことを最も意識しています。

試合前に聴く音楽や好きな歌は何ですか。

 試合前に特別聴くものはありませんが、毎日聴いているのは、ロックバンド「黒夢」の曲です。ロックンローラーのかっこ良さにひかれ、「黒夢」のボーカルの清春さんが好きです。アーティストの生き様は、スポーツ選手と共通するところがあると思います。自分のスタイルを貫き通し、打算を感じないところにひかれました。清春さんの生き方に刺激を受けながら、いつも自分を見つめ直しています。

羽根田卓也(はねだ・たくや)

 愛知県豊田市出身。種目はスラローム男子カナディアンシングル。高校卒業後からスロバキアを拠点とし、2016年リオデジャネイロ五輪では、カヌーで日本初メダルの銅メダルを獲得した。32歳。