西部邁氏が亡くなって、2年が過ぎた。真冬の多摩川に入水する衝撃的な自死だった。その後、自殺ほう助の容疑で逮捕者も出ている。
晩年の西部氏と親交があった私は、当欄で追悼文を書き、さらに逮捕者のKさんへの手紙として彼の行為を肯定した(西部氏とKさんと私は、幾度も新宿の飲み屋で夜を明かし、私も警察の聴取を受けている)。これを読んだ82歳の女性から新聞社に電話があり、感動が伝えられた――という記事を読み、涙が出た。あれから、もう2年である。
先ごろ、『評伝 西部邁』(毎日新聞出版)という本が出た。著者は文芸評論家の高澤秀次氏。『サンデー毎日』の連載に加筆された200ページほどの短い評伝だ。
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