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社説

首相答弁に食い違い このままでは信用できぬ

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 安倍晋三首相の国会答弁の信用性が問われる事態である。

 毎年の「桜を見る会」の際に首相の後援会が東京都内の高級ホテルで開いてきた「前夜祭」をめぐり、新たな問題が浮上した。2013、14、16年の会場だったANAインターコンチネンタル東京が首相答弁と食い違う説明をしたためだ。

 首相は、参加者一人一人がホテル側との契約主体だから政治資金収支報告書に記載する必要はないと主張してきた。その根拠は(1)首相の事務所はホテル側から明細書を受け取っていない(2)参加者がそれぞれホテルに5000円を支払った(3)宛名が空欄の領収書をホテル側が参加者に発行した――というものだ。

 これに対しホテル側は、ホテルで開くパーティーや宴席全般について(1)明細書を発行しないケースはない(2)代金は主催者にまとめて払ってもらう(3)宛名が空欄の領収書を発行することはない――と説明した。野党の問い合わせにメールで回答した。

 衆院予算委員会でただされた首相は、ホテルから野党への回答は「一般論」であり「個別の案件については営業の秘密に関わるため回答に含まれていない」と答弁した。前夜祭が例外扱いだったと類推させる。首相の事務所からホテル側に口頭で問い合わせた結果だという。

 ところがホテル側は毎日新聞の取材に「例外はない」と答えた。そうであるなら、前夜祭に関する首相の主張は根幹から崩れ、政治資金規正法に抵触する可能性が出てくる。

 ホテル側がメールの文面で説明したのに対し、首相の答弁は口頭のやり取りを引用したものだ。引用の一部についてホテル側は、述べた事実はないと明確に否定した。

 もし仮に首相がホテル側の説明を都合よく解釈したのだとすれば批判は免れない。野党は首相にホテル側とのやり取りを書面で示すよう求め、予算委審議を一時欠席した。

 これまでの審議でも首相がヤジを飛ばして謝罪に追い込まれるなど紛糾する場面が度々あった。新型肺炎対策に与野党を挙げて取り組むべきときに、こうした国会の混乱が国民の政治不信に拍車をかけている。

 首相はホテル側に明細書の再発行を求めるなど具体的な証拠を示し、食い違いの解消に努めるべきだ。

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