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ひと

砥上裕將さん=青春小説を出版した水墨画家

砥上裕將さん=東京都文京区の講談社で2019年12月20日、椋田佳代撮影

 2019年、青春小説「線は、僕を描く」(講談社)で作家デビューした。両親を交通事故で亡くし、喪失感を抱える大学生が、水墨画と出合う物語。主人公の孤独を水墨画の静謐(せいひつ)な世界に重ね、その魅力を描いた。

 初めて水墨画に触れたのは、法学部で学んでいた大学生の時。キャンパスで偶然、揮毫(きごう)会を目にした。毛筆だけを使い、短時間で精緻な絵を生み出す様子は「一瞬で描いてしまえる魔法みたいだった」。質問をしに行ったことがきっかけでその画家の内弟子になり、今は花を中心とした作品を手がける。

 小説の執筆は学生時代に一度、挫折したが、友人の勧めで再び挑戦してみると不思議と筆が進んだ。水墨画になじみがない人にも世界観を伝えるため、「画仙紙の真っ白な状態とはどういうことか」と原点に立ち返り、主人公がまっさらな目で学んでいく物語に仕上げた。

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