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終わらない氷河期~疲弊する現場で

私も不安定なのに…人の就職相談を受けるやりきれなさ 非正規ハローワーク相談員

 仕事を探す人たちの手助けをする国の機関ハローワーク(公共職業安定所)。しかし、そこに勤める相談員の多くが、非正規の公務員だ。自らも不安定な身分なのに、人の就職相談に応じる矛盾。かつて就職氷河期を経験した女性は、やりきれない思いを抱えながら、窓口で仕事に当たっている。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】

 午前6時、高校生と中学生の子どもたちの弁当作りから一日が始まる。朝食の片付けを終え、シフト制で勤務する千葉県内のハローワークに出勤する。午前11時、前日の相談者の集計作業を始め、合間に相談者が次々に訪れる。若者向けの窓口で、山岸薫さん(47)=千葉市=は非正規の相談員として勤務する。「もう何社受けても決まらない」「自分なんかどうせだめ」――。「売り手市場」とされるが、悩みや劣等感を吐き出す学生も多い。相談時間は30分の基準を超え、相談が終わると、さまざまな書類の処理や資料作りをこなす。1日6時間半の労働時間を超えても、残業はできず、時間内に仕事を終わらせないといけない。山岸さんが相談員になった6年前、同僚は約10人いたが、今は6人。任期は1年。毎年、年度末が近づくと、気持ちが落ち着かない。

 北陸地方の出身。中学2年のころ、対人関係に悩み、部活をやめ、勉強にも力が入らなくなった。心の支えは、ロックバンド「BООWY(ボウイ)」だった。「カースト(階級)社会の上の部分ではなく、社会的弱者にメッセージを届けているみたいな歌詞が好き」。音響の技術職を志し、1991年に大阪府内の専門学校に進学。しかし、卒業した93年春は、既に就職氷河期に入っていた。「数年前まで求人票でいっぱいだったと聞いていた掲示板に、求人票は2、3枚だけ。学歴も低いし、これくらいしかないんだなと思った」。15社に履歴書を送り、面接に進めたのは2社。周囲からは「決まっただけいい」「上を望むなんてとんでもない」と言われた。

 21歳で大阪府内の従業員約10人の映像制作会社に入社した。正社員でAD(アシスタントディレクター)として働き、毎日午前6時に自宅を出て、帰りは午後11時。月収は手取り10万円弱。郊外に家を借り、4・5畳、風呂なし、トイレ共同。家賃は1万5000円。過酷な労働環境に「おかしいと声を上げる従業員はいなかった」。現場で一緒になった大手テレビ局の社員に「そこの会社、これまで従業員がみんな辞めて…

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木許はるみ

1985年生まれ、愛知県出身。中日新聞、Business Insider Japan、じゃかるた新聞を経て2020年入社。外国人住民、公害、地方議会の取材をしてきた。アートや科学が好き。

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