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第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会(2022年)の特集サイトです。

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日本一を目指して・仙台育英

支える仲間たち 東北初Vへ、トレーナー2人同行 「白河の関越え」を /宮城

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佐藤接骨院の総院長・佐藤隆さん(左)と泉中央院長の大和成也さん。院内には仙台育英が甲子園に出場した時の記念ボールや皿が並ぶ=仙台市泉区の佐藤接骨院泉中央院で 拡大
佐藤接骨院の総院長・佐藤隆さん(左)と泉中央院長の大和成也さん。院内には仙台育英が甲子園に出場した時の記念ボールや皿が並ぶ=仙台市泉区の佐藤接骨院泉中央院で

 第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する仙台育英には、柔道整復師の資格を持つ2人のトレーナーが甲子園に同行し、負傷した選手の治療を行う。長年にわたってトレーナーを務める2人は日本一に挑む選手たちにエールを送る。【滝沢一誠】

 「選手たちが持ち帰った甲子園の土を、ここに来る小中学生にあげているんです」。佐藤隆さん(56)が瓶を手に取り、説明する。夏の甲子園に出場した選手から土を分けてもらい、その年のスローガンなどを記した瓶につめて、希望する野球少年に渡すという。

 佐藤さんは仙台市内に4店舗を構える「佐藤接骨院」の総院長。1989年に開業し、地域住民の身体のケアに携わっている。その傍ら、同年から仙台育英硬式野球部のトレーナーとして、レギュラー選手を中心にけがの治療を行っている。同市泉区の泉中央院には、仙台育英が甲子園に出場した時の記念ボールや皿がいくつも飾られている。

 東北高野球部OBで、仙台育英の佐々木順一朗前監督(60=現・学法石川監督)の4年後輩にあたる。当初、遊撃手を務めたが、負傷して外野手に転向。この経験から、スポーツ選手をケアするトレーナーを志した。

 普段は接骨院で働くが、週末や公式戦のシーズン中には多賀城市の練習グラウンドに赴き、遠征や他県で開かれる大会に同行することも。トレーナーを30年以上務め、プロ野球選手も多数送り出してきた。院内には仙台育英OBのソフトバンク・上林誠知選手(24)とロッテ・平沢大河選手(22)のサイン入りユニホームが飾ってある。「プロに行った選手をたくさん診てきた。この前数えたら35人だったよ」

 2006年からは、仙台育英OBの大和成也さん(35)もトレーナーに加わった。大和さんは高校卒業後に進学した柔道整復師の専門学校で、講師として教壇に立つ佐藤さんと再会。その縁で佐藤接骨院に入り、母校の選手のケアも任された。今では泉中央院の院長を務めている。

 大和さんは須江航監督(36)の1年後輩。高校時代から仲が良く、選手の治療に関する相談を須江監督から直接受けることもあるという。18年に就任した須江監督の野球を「いい伝統を残しつつ、緻密なデータ野球のような新しいものを取り入れている」と注目する。現役の選手についても「学年を問わず仲が良くて、本当に楽しそうにプレーしている」と話す。

 3月19日に開幕するセンバツにも2人は同行し、選手のケアを行う。試合当日は仙台育英側ベンチの真上の席から応援する予定だ。佐藤さんは「優勝を目指して頑張ってほしい」、大和さんは「東北で最初に優勝するのは育英だと思っている。『白河の関越え』を果たしてほしい」と期待を込める。

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