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社説

籠池夫妻に有罪判決 「森友」の本質置き去りだ

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 疑惑は解明されず、問題の本質が置き去りにされた。

 森友学園を巡る補助金詐欺事件の判決が大阪地裁であり、前学園理事長の籠池泰典被告と妻諄子被告に有罪判決を言い渡した。

 判決は、籠池被告が国の補助金など計約1億7000万円をだまし取ったと認定し、「手口は巧妙かつ大胆」と悪質さを指摘した。

 ただし、森友問題の本質は小学校建設を巡る不透明な国有地取引にある。この真相は解明されなかった。

 発端は、財務省が鑑定価格9億5600万円の国有地を約8億円も値引きして学園に売却したことだ。

 財務省は土地の地中にあるごみの撤去費用などを挙げた。しかし、実際に大量のごみがあったかどうかは確認されていない。

 学園を巡っては安倍晋三首相の妻昭恵氏が建設予定の小学校の名誉校長に一時就いていた。こうしたことが、官僚が政権に忖度(そんたく)をしたという疑念を生んだ。

 安倍首相は値引きが発覚した直後の2017年2月には、自身や昭恵氏が取引に関与していれば辞任すると国会で答弁した。

 答弁をきっかけに財務省が国有地売却に関連して学園との取引に関する交渉記録を廃棄したり決裁文書などを改ざんしたりしたことが、後に分かった。

 森友問題は、政治家への忖度と、公文書管理をめぐる政治と行政のゆがんだ実態を浮き彫りにした。

 森友問題後、加計(かけ)学園の獣医学部新設問題が発覚したが、都合の悪い文書を「怪文書」扱いした。安倍首相主催の「桜を見る会」でも、野党に要求された直後に文書を官僚が破棄していた。

 公文書は、公正、公平な行政が行われているかを検証する国民の共有財産である。官僚が政治家の顔色をうかがい、つじつま合わせに奔走するあまり、公文書を軽んじるなら、本末転倒だ。

 公文書管理問題が大きな論争になった発端こそ、森友問題だった。その核心が解明されなければいつまでも「忖度政治」の温床は無くならないだろう。

 この疑念が払拭(ふっしょく)されない限り、国民の不信感は取り除かれない。政治の責任は重い。

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