
韓国映画「パラサイト 半地下の家族」のアカデミー賞4冠、特に作品賞受賞には正直言って驚いた。昨年5月のカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞していたし、とてもよくできた映画と感嘆していたから、脚本賞、国際長編映画賞までは順当と思えたものの、監督賞、作品賞まで席巻するとは。これまで芸術映画の牙城カンヌと娯楽映画の頂点アカデミー賞作品賞を同時に受賞したのは、1955年の米国映画「マーティ」(デルバート・マン監督)しかない。二つの極点を韓国映画が制したことは、世界の映画界の一大事だ。そして今回の受賞からは、映画と世界の今が見えてくると思う。
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