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一昨年の話になるが、デンマークの国立大学で建築学を専攻する北欧の学生たち、約30人が来日し、岐阜県奥美濃の山間部に残る古民家を見て歩いた。
案内したのはここで生まれ育った建築家、瀧下嘉弘さん(75)。霊峰・白山を抱くこの一帯は、豪雪と大家族制を反映した「合掌造り」と呼ばれる特徴的な木造民家が発達した。後に世界文化遺産に登録された岐阜県白川郷や富山県五箇山ほどの規模ではなくても、それに準ずる民家群が多く残っていたのだが、日本が高度経済成長を遂げる過程の中で、それらの多くが姿を消していった。
瀧下さんが山向こうの福井県九頭竜川沿いで大庄屋宅が解体されるのに立ち会ったのは大学生の時。「300年近く家族を支えてきた家がダム建設のために沈むことになって。ショックでしたね。どれほど多くの文化財級の民家がこの一帯から消え去ったことか」
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