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京都観察いま・むかし

八木先生の覚え書き/86 被害と加害の声を聴く 戦争の遺跡と博物館 /京都

 戦後75年が経過しました。75歳の“後期高齢者”になった筆者に、戦時はもちろん、敗戦直後の記憶もありません。戦中戦後を鮮明かつ正確に想起し証言できる人が年々減少しつつあることは、世界とこの国の今後の平和を構想する上での一つの危機だと思います。

 ヒトをして語らしめることが困難ならば、その代替としてモノをして語らしめる方途を求めるのは、次善策とはいえ、当然のことでしょう。ここで重視したいのが、いわゆる「戦争遺跡」です。戦争遺跡についての安定した定義は今のところありませんが、常識的に、戦争に用いられた旧皇軍施設や軍事工場、それに防空壕や戦災跡などのこととしておきます。その歴史遺産を通じて過去を知ることが、今後の反戦行動への糧になるはずだからです。

 本紙(2019年12月8日付)の「戦争遺跡 全数調査6県」の記事は、47都道府県のうち、管内のすべての戦争遺跡を調査したのはわずか6県にとどまる現状を本紙の独自調査で明らかにしたものでした。京都府も全数調査は行なっていません。個別の価値で文化財に指定されたものなどを除くと、老朽化や開発で破壊される可能性が高く、過去を語らしめるべきモノそれ自体が減少・消滅の危機にあることがわかります。

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