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社説

楽天の送料無料化 出店者負担が重過ぎぬか

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 公正取引委員会が通販サイト「楽天市場」を運営する楽天を立ち入り検査した。来月から予定する送料無料化について、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いがあると見たためだ。

 楽天市場では現在、出店者ごとに送料や無料となる条件が異なる。業界首位の米アマゾンは原則2000円以上買えば送料を無料にして、顧客を獲得している。

 楽天は対抗策として来月18日から一つの店で計3980円以上買えば、送料を一律無料にする方針を決めた。ただ、配送コストを負担するのは出店者だ。出店する約5万社の中には中小業者も多く、「経営が立ち行かない」と反発の声が出ている。

 楽天は「出店者は送料分を商品価格に上乗せすることもできる」と説明する。これを根拠に独禁法違反に当たらないと主張し、無料化を予定通り進める構えだ。

 だが、出店者が送料分を価格に上乗せするのは難しい。通販サイトは価格競争が激しく、「割高」と見られれば、顧客が離れるからだ。

 アマゾンを意識する楽天の三木谷浩史会長兼社長は「送料無料は時代の流れ」と強調している。ただ、自らさまざまな商品を仕入れて販売するアマゾンは自社の負担で送料を無料にしている。

 一方、ネット上のショッピングモールである楽天市場は、出店者側の負担で無料化しようとしている点が大きく異なる。しかも、楽天は本来必要な出店者の幅広い理解を得ないまま、無料化を見切り発車で強行しようとしているように見える。

 楽天を含むプラットフォーマーと呼ばれる巨大ネット企業に対しては「市場の寡占」の弊害が指摘されている。通販サイトを巡っては、立場の弱い中小業者が不当な圧力で不利益を被るケースが目立っている。

 政府が今国会にプラットフォーマーを規制する新法案を提出したり、公取委が楽天に厳しい姿勢で臨んだりしているのも、中小業者の保護が求められているからだ。

 地方の個人商店も出店する楽天市場は個性的な品ぞろえが評価されてきた。今回の対立で出店者が離脱すれば、楽天自身にもマイナスのはずだ。配送費の分担など、無料化の仕組みを再検討する必要がある。

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