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毎日新聞経済面に連日連載の経済コラム。経営者や経済評論家らが独自の視点で、経済の今とこれからを展望する。

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英国の付加価値税引き上げ=東短リサーチ・チーフエコノミスト 加藤出

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 2019年10~12月期の実質経済成長率は、消費税増税後の需要の反動減などで大幅なマイナスとなった。通常であれば前回の増税時(14年4月)のように、その次の期にはプラス成長に戻るはずだったが、新型肺炎の感染拡大の打撃により予断を許さない状況になっている。

 ところで筆者は、英政府が11年1月4日に付加価値税(VAT)を2・5%引き上げて20%にしたときにロンドンにいた。英国民がそれを淡々と受け止めていたのが当時、非常に不思議だった。増税後の成長鈍化もたいしたことはなかった。その理由は次のように推測される。

 第一に、英国では物価は毎年上がる。例えば、10年末までの10年間で23%も上がっていたので、2・5%の増税はあまり目立たない。第二に、食品や子供服のVATは0%、その他の生活必需品は5%に抑えられていたため、エンゲル係数が高い中低所得の家庭はVATの引き上げをさほど実感しなかった。

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