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社説

辺野古の軟弱地盤 なぜ再調査をしないのか

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 米軍普天間飛行場の辺野古移設計画をめぐり、問題の軟弱地盤について政府説明と異なるデータの分析結果が明らかになった。

 軟弱地盤は最深部分で海面から約90メートルに達するが、政府は70メートルの深さまで砂の杭(くい)を打ち込む工法で改良工事は可能だと説明してきた。70メートルより下は「非常に固い粘土層」であることをその根拠としている。

 だが、防衛省の委託業者が行った地層調査のデータを外部の専門家が分析し、同省の説明より軟らかい粘土層である可能性が示された。

 その地点には埋め立て地を囲う護岸の建設が予定されている。専門家は「重みで崩壊する可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

 これに対し防衛省は、データは土の種類を確認する簡易な試験によるもので、土の強度を測る試験の結果ではないと言って取り合わない。

 簡易な試験のデータであっても工事の成否に関わる分析結果が出たなら、再調査して確認すべきだ。

 そもそも防衛省はこの地点で簡易な調査しか行っていない。同様の粘土層とみられる他の地点のボーリング調査をもとに「非常に固い」と断定したという。これで専門家の指摘を否定するのは説得力に欠ける。

 広大な軟弱地盤に7万本を超える杭を打ち込んで地盤を固める難工事である。その中でも深さ90メートルまで粘土層があるこの地点の工事は特に実効性が危ぶまれている。そこで正確な土の強度を測る試験を行わないこと自体が理解に苦しむ。

 防衛省は来月にも、地盤改良工事を実施するのに必要な設計変更を沖縄県に申請する方針だ。辺野古の埋め立てに反対する県側から承認を得られる見通しは立たない。

 法廷闘争が想定される中、再調査によって不都合なデータが確認されるのを恐れているのだろうか。

 仮に専門家の指摘通りであれば、移設計画が非現実的であることが一層明確になる。政府が辺野古移設に固執する限り、置き去りにされるのは、普天間飛行場の騒音と事故の危険に苦しんできた宜野湾市民だ。

 防衛省は移設まで更に12年もの年月と総工費9300億円を見込む。巨大な浪費を生まないためにもここで立ち止まり、沖縄県、米政府と計画を見直す協議に入るべきだ。

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