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大竹文雄・評 『日本のセーフティーネット格差 労働市場の変容と社会保険』=酒井正・著

 (慶應義塾大学出版会・2970円)

 日本は「国民皆保険」だ。すべての人が公的医療保険や公的年金に加入している。正確には、加入する義務を負っている。しかし、国民健康保険では2割の人が保険料未納である。国民年金では3割近くの未納月数がある。

 世界に誇るべき日本の国民皆保険から漏れ出ている人たちが無視できないほど多くなっているのだ。原因は、非正規雇用の増加だ。雇用が不安定でセーフティーネットが必要な人にセーフティーネットがなくなっている。正規社員で勤続年数が長い人には手厚いセーフティーネットがある。これが本書のタイトルになっている「セーフティーネット格差」である。

 非正規雇用者はなぜ国民皆保険から漏れ出てしまうのだろうか。日本の社会保険が正社員を対象としたものと自営業を対象としたものから成り立ってきたという歴史的背景が原因の一つだ。正社員以外の人は、国民健康保険と国民年金に加入することが義務付けられている。自営業者の未納率は今でも多くない。自営業者の数が減ってきた一方で、非正規雇用が増えてきた。非正規雇用での未納率が高いのだ。なぜ、非正規雇用の人たちの中で…

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