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石破茂氏、「苦い顔」がますます苦く “ポスト安倍”の最有力者、どう見ているの?

政治の現状や憲法改正について語る石破茂自民党元幹事長=東京都千代田区の衆院第2議員会館で2020年2月13日、藤井太郎撮影

 苦い苦い。テレビの国会中継を見るたび、気になっていた。自民党元幹事長、石破茂さん。政府と野党の応酬を、いつも苦くて、こわーい顔をして、黙って聞いていらっしゃる。世論調査をのぞけば、ポスト安倍の最有力。「春」の気配も感じるのに、どうして? 苦い思いをたっぷり聞いた。【吉井理記/統合デジタル取材センター】

 「34年間、国会議員をやっていますがね。こういう国会、ちょっと見たことないですね……」

 東京・永田町の国会議事堂を間近に望む衆院第2議員会館。衆院本会議を終えたばかりの石破さん、やっぱり苦虫をかみ潰したような顔で事務所にお戻りである。今国会の論戦、どうご覧になってます? 最初の問いに、腕組みをして答えたのがこれだった。

 国会周辺の桜、春の気配はまだ遠いのに、国会内はと言えば、昨日も今日も「桜」が乱舞する。安倍晋三首相が疑惑の渦中にある「桜を見る会」を巡り、応酬が続く。石破さんのイライラは募る。

 「この問題が国政上の大問題とは、私は思わない。日本の危機は、複合して到来する急激な少子化と超高齢化社会であり、地方の衰退も深刻です。社会保障は消費税率10%で本当にまかなえるか。日米同盟の行方、新型肺炎対策はどうするか。そういう議論をすべきです。しかし『桜』をめぐる罵詈雑言(ばりぞうごん)の応酬ばかり……」

 石破さんのお嘆きはごもっともだが、共同通信の2月の世論調査でも、「桜」の首相の説明は「不十分」との回答は84・5%に上るのだ。国民が納得しなければ当然、野党の追及は続く。そこは石破さんもうなずく。

 「『個人情報』という言葉が、ジョーカーのように使われているのが気になりますね。桜を見る会に誰を招待したか、『個人情報だから明かせない』と言う。でも、地道に人々に尽くし、社会の一隅を照らす方々を招くのが会の趣旨です。『こんなにすてきな方々がいるんだよ』と。そのすてきな方々を『個人情報だから秘密にする』という理屈は、よく分からないと思われても仕方ないのでは」

 世論の多くも、同じ疑問を抱えている。政治資金規正法違反(収支報告書への不記載)の指摘もある「前夜祭」への疑問もそうだ。

 首相は「安倍後援会は参加者とホテル側との『仲介』をしただけで、800人の来場者の各人が、ホテル側と契約した」という説明をしている。浮世離れしているが、その通りであるなら、ホテルの契約台帳などに各人の名前があるはずだし、各人に渡した領収証の控えもあるだろう。

 「それが『個人情報』なので出せないということなら、例えば、参加を公言しているような公職関係者の方々の領収証が数枚でも出てくれば『なるほど、首相の説明通り、契約が一人一人、ホテル側となされたんだ』と納得できることでしょう。ところがそういうこともない。『個人情報なので』と。自民党支持者の方々も、もやもやした感じが残っているのではないでしょうか」

 野党との対決姿勢を強めるばかりの首相、国会答弁もいよいよまか不思議である。自身の後援会が、桜を見る会の参加者を募集したことを問われて発した「『募っている』という認識で、『募集している』という認識ではない」(1月28日、衆院予算委)という言葉は、世論に少なからぬショックを与えた。閣僚席から野党議員にヤジを飛ばす、というおなじみの荒業も披露したばかりだ。石破さんのもとには「もう自民党の応援はやめる」という手紙やメールが舞い込むらしい。

 国会のあれやこれやが脳裏に去来したのか石破さん、しばし瞑目(めいもく)し、言葉を継いだ。

 「『7・3の構え』という言葉があるんです。政権にある側は野党に7割配慮する。与党は3割でいい。国会は国権の最高機関です。国会・野党に審議していただくの…

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吉井理記

1975年東京生まれ。西日本新聞社を経て2004年入社。憲法・平和問題、永田町の小ネタ、政治家と思想、東京の酒場に関心があります。会社では上司に、家では妻と娘と猫にしかられる毎日を、ビールとミステリ、落語、モダンジャズで癒やしています。ジャズは20代のころ「ジャズに詳しい男はモテる」と耳に挟み、聞き始めました。ジャズには少し詳しくなりましたが、モテませんでした。記者なのに人見知り。

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