再生医療「許可は手間」 書類送検の大阪医大元講師 「他の医師もやっているのでは」

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
再生医療を実施する医療機関が厚生労働省に提出した患者向けの説明資料。アンチエイジングをうたったものも多い=2020年2月23日午前9時50分、安元久美子撮影
再生医療を実施する医療機関が厚生労働省に提出した患者向けの説明資料。アンチエイジングをうたったものも多い=2020年2月23日午前9時50分、安元久美子撮影

 無許可で再生医療を行ったとして、大阪府警に再生医療安全性確保法違反の疑いで書類送検された大阪医科大の男性元講師(52)が、毎日新聞の取材に応じた。元講師は「許可を受けるには手間や費用が掛かる。友人に頼まれて断り切れなかった」と釈明した。その一方で「他の医師もこっそりやっているのでは」とも明かし、無許可医療が横行している可能性を指摘した。難病治療や美容目的で再生医療が広がる中、国や学会は安全性が不確かな医療への注意を呼び掛けている。

共同研究者に促され

 元講師は2019年3~5月、医療関連会社の元役員(62)らと共謀。厚生労働省の許可を得ていない医大の施設で、男女2人から脂肪幹細胞を採取・培養したなどとして、20年1月に書類送検された。

 脂肪幹細胞は脂肪から抽出して培養し、患者の体に戻すことで傷ついた組織が再生するとされる。医大によると、元講師は計4人から細胞を採取し、自ら考案した特許技術で培養。このうち女性1人には投与していた。

 元講師によると、きっかけは19年2月。再生医療の共同研究をしていた元役員から、「私も含め3人の脂肪を採取していただけませんでしょうか」と、無料通信アプリ「LINE」で促された。

 元役員の知人が再生医療を使ったクリニックの開業を計画し、元講師の技術によるアンチエイジング(老化防止)効果に関心を示していた。

 「先生の技術なら格安でできる」「自分たちの体でまずは試してみたい」「二人三脚で頑張りましょう」

 熱心な説得に元講師も折れ、「では、大阪医大でやりましょう。私の実験室でできるよう準備しておきます!」と応じた。

 元講師の技術は、特殊な薬剤を加えることで幹細胞の機能を強めるもので、医大が17年、国際特許を出願した。ただ、動物実験では一定の効果が示さ…

この記事は有料記事です。

残り724文字(全文1470文字)

あわせて読みたい

注目の特集