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社説

揺らぐ公文書管理制度 与野党で立て直し議論を

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 公文書管理制度の理念をないがしろにする行為が絶えない。国会に提出された「桜を見る会」の資料は、一部が「白塗り」で隠してあった。根本から立て直すべきだ。

 安倍内閣は2017年末に公文書管理のガイドラインを改定した。きっかけは廃棄や改ざんが次々と発覚した森友・加計学園問題だった。

 改定では、公文書の保存期間を1年未満にできるケースを限定した。保存に値しない文書についてだけ、例外的に認めたはずだった。

 しかし、内閣府は「桜を見る会」の招待者名簿がこれに該当するとして、保存期間を1年から1年未満に変えた。

 例外を設けることで、都合の悪い文書を廃棄できる「抜け道」をあらかじめ作っておいたと受け取られても仕方あるまい。

 公文書管理法は公文書を「民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」と位置付ける。だが、現政権下でこの理念は踏みにじられてきた。

 まず、取り組むべきなのは制度の穴をふさぐことだ。「1年未満文書」の規定を見直し、恣意(しい)的な解釈の余地をなくさねばならない。

 ガイドラインはまた、政策立案に影響する打ち合わせなどを文書で記録するよう義務付けている。だが、首相と官僚の面談すら記録されていない。どんなものを残すべきかを明確に定める必要がある。

 チェック機能も強化しなければならない。現在の公文書管理委員会や国立公文書館、公文書監察室は、独立性に欠けたり、権限が弱かったりして十分役割を果たせていない。

 専門家らが求めているのは、各府省の保存や廃棄を監視する第三者機関の設置だ。内閣から独立し、強い権限を持つことが必要不可欠だ。

 さらに、公文書管理法に罰則を設けることも検討すべきだ。悪質な改ざんがあっても、刑法の虚偽公文書作成罪を適用するには、満たすべき要件のハードルが高い。

 公文書の適切な管理は、国民への説明責任を果たすための前提となる。だが、日本ではこの責任の自覚が不足している。制度改革を意識改革につなげ、公文書を守る文化を作ることは政治の役割である。

 法の理念に立ち返るための議論を与野党で始めなければならない。

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