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社説

新型肺炎の国会答弁 政府の態勢に不安が募る

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 新型コロナウイルスの感染が広がる中、安倍晋三首相が出席して衆院予算委員会の集中審議が行われた。

 立憲民主党の枝野幸男代表は、発熱などの症状が出ても検査を受けられない人がいる状況を取り上げた。

 国内のPCR検査(遺伝子検査)の能力は1日3800件程度だが、24日まで1週間の実施件数は1日平均約900件にとどまると加藤勝信厚生労働相が明かした。

 感染の不安があってもむやみに医療機関を受診しないように政府から国民に呼びかけてきた経緯がある。加藤氏は柔軟な運用を通知していると答弁した。しかし、実際にそれが徹底されるのか心もとない。

 クルーズ船の乗客が感染して亡くなった経過を検証する質問に加藤氏が答えられず、審議が一時止まる場面もあった。国民に向け発信すべき基本的な情報の整理もできていない政府の混乱ぶりを物語る。

 地域に感染がどの程度広がっているのか、仮に感染してしまった場合に適切な検査や治療を受けられるのか。政府の答弁はこうした国民の不安を取り除くにはほど遠い。

 もはや日本国内で誰が感染してもおかしくない段階だ。政府が25日に決定した基本方針は受診の回避のほか、発熱時の休暇取得や時差通勤、学校の臨時休業など、国民生活に大きな影響を及ぼす内容である。

 首相が責任を持って基本方針を発表し、自身の言葉で国民に理解と協力を呼びかけるべきだった。加藤氏が発表したことは厚労省任せの姿勢と危機感の不足を印象づけた。

 その翌日になって首相は政府の対策本部で、全国的なスポーツ・文化イベントの2週間自粛を要請することを表明した。なぜそれを基本方針に盛り込まなかったのか。行き当たりばったりの対応に映る。

 野党は「桜を見る会」の問題も追及した。前夜祭の会場となったホテル側と首相の説明は食い違ったままで、首相自ら真相を明らかにしようとしないから疑惑が深まる。

 検察人事に政治介入した疑惑についても、森雅子法相や人事院が不可解な答弁を繰り返した。

 政権への信頼が揺らぐ中での危機対応だ。首相は新型肺炎対策に「内閣一丸となって取り組む」と述べたが、現状の態勢では不安が募る。

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