/5 事故9年、続く模索 福島第1、汚染ごみどこへ 牟田仁・東京都市大准教授、石橋哲・東京理科大教授
毎日新聞
2020/2/27 東京朝刊
有料記事
1292文字
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

<科学の森>
廃炉作業の課題は
東京電力福島第1原発では、厳しい環境の中で廃炉の作業が進む。2人の専門家に課題を語ってもらった。【聞き手・岩間理紀】
「想定外」減らせるか 東京都市大准教授 牟田仁(むた・ひとし)氏(原子力安全工学)
福島第1原発の廃炉では、いかに「想定外」を減らすことができるのかが課題になる。核燃料などが溶け落ちた「燃料デブリ」が原子炉格納容器のどこにあるのかさえも、まだ特定できていない。普通ではない現場の中で、どのような支障や危険が残っているのか。地道な調査で追求し続けなければいけない。
これまでにも、原子炉の調査はされてきた。しかし、放射線量が高く人が立ち入れない場所があり、調査や分析が及んでいない部分も多い。例えば、廃炉の作業中に再び大きな地震が発生した場合、原子炉建屋などの強度は足りているのか。放射性物質が飛び散らないよう気密性は確保されているのか。外部有識者として参加している原子力規制委員会の検討会で、水素爆発ではりが損傷したとみられる建屋内部の状況が報告されていた。こう…
この記事は有料記事です。
残り837文字(全文1292文字)