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ベルリン映画祭便り

2020年第4日 きもかわいい映画「ピノキオ」 本当は怖い原作を特殊メークで忠実に映像化

映画「ピノキオ」の一場面 © Greta De Lazzaris

 日本から特派員として国際映画祭を取材する際は、最高賞(ベルリンでは金熊賞)を競うコンペティション部門と、他部門も含めた日本関連作品が主な対象となります。しかし23日(日本時間24日)の朝は、コンペ部門のプレス試写がなく、ちょうど時間ができたため、ベルリナーレスペシャル(特別招待)として上映されている「ピノキオ」(マッテオ・ガローネ監督)を見に行きました。このピノキオには、「ライフ・イズ・ビューティフル」(1998年)で監督、脚本、主演を務めたことで知られるロベルト・ベニーニがピノキオの親であるゼペットじいさん役で出演。なおベニーニは2003年に「ピノッキオ」という作品で監督、脚本、主演(ピノキオ役)を務めています。

 言わずと知れたピノキオ。新作は欧州でも話題になっていて、とても期待していましたが、想像とはずいぶん違ったものでした。最も驚いたのはそのビジュアル。なめらかにまばたきをするリアルな目に対し、顔や体の肌は木の質感で不釣り合いな印象です。特殊メークに加え、モーションキャプチャー技術やCG(コンピューターグラフィックス)を使っているのか、実に人間らしく動き、技術的な高さに目を見張るものの、私は正直に言うと気持ち悪いと感じてしまいました。日本でも公開中の映画「キャッツ」が本国アメリカを中心に気持ち悪いと物議を醸していますが、それ以上の衝撃でした。

 でもこの印象には個人差があるようです。翌日、ベルリン国際映画祭に映画を買い付けに来た日本の配給会社の方たちと会食をしました。「ピノキオ」を見たというある人は「最高に面白かった」と言っていました。私の感想を伝えたところ、別の人も「あの気持ち悪さがかわいい」と。最近の言葉で言うところの「きもかわいい」なのでしょうか。実際、会場のリアクションも何度も笑い声が起きて、上映後は拍手喝采だったことも記しておきます。

 物語自体も私の想像を超えていました。まずあの有名な「ウソをついたら鼻が伸びる」というくだりがほんの少ししか描かれていません。コオロギのジミニー・クリケットが歌う「星に願いを」も登場しません。それに、ピノキオの性格もなんだか…

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井上知大

2013年入社。静岡支局を経て18年から学芸部。テレビ、ラジオなど放送分野に続き、19年からは映画を担当している。

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