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終わらない氷河期

疲弊する現場で/4 薄給・体の負担…42歳介護職員 「年を取るのが怖い」

人けのない田畑の間を通り、職場を後にする山本恵さん(仮名)=2020年1月8日、中川聡子撮影

 高齢化社会の進行とともに増える介護職。役割は注目されているにもかかわらず、労働環境が良くないと敬遠され、現場は人手不足が続く。ここでも、就職氷河期世代の女性が苦しんでいる。

 「何にもない町なんですよ」。今にも降り出しそうな曇り空の下、とうに収穫を終えた稲株ばかりの田んぼを見つめ、山本恵さん(42歳、仮名)は自嘲気味に語った。高齢化と人口減少が加速する首都圏郊外のある市。田畑の中にぽつんとたたずむ介護施設が、山本さんの職場だ。8年前に就職し、ここで介護福祉士の資格を得た。毎日、1駅向こうから自転車で通う。体力的にきつい過酷な勤務、ハラスメント、低賃金………。介護職の現場は厳しい。ここにたどり着くまでに、非正規の仕事を繰り返してきたため「昔を思えばまし」と自分に言い聞かせるが、それでも先の人生を考えると、不安は尽きない。

 大手企業に勤めるサラリーマンの父、専業主婦の母の間に長女として生まれた。妹、弟も生まれたが、父が母に暴力を振るい、家に金を入れず食事にも苦労した。小学校入学後に父母は離婚。母とともに千葉県内の祖父母宅に一時身を寄せた。やがて母は看護師資格を取得し、埼玉県内の病院に就職。病院の近くに引っ越した。おとなしい性格だった山本さんは、転校の連続で新たな環境になじめず、「ばい菌」と呼ばれていじめられた。

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