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日米地位協定

在日米軍に対する特別待遇を定め、さまざまな問題を生む元凶ともされる日米地位協定。見直しを求める声が広がっています。

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地位協定60年 「身柄」捜査の壁

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群馬県警刑事部長としてジラード事件の捜査を指揮した岡田三千左右さん(右から2人目)と長女の井上美智子さん(左端)=井上さん提供
群馬県警刑事部長としてジラード事件の捜査を指揮した岡田三千左右さん(右から2人目)と長女の井上美智子さん(左端)=井上さん提供

 日米地位協定は公平であるべきはずの刑事司法の手続きで米軍関係者に特権を与えている。締結から60年。米軍の容疑者引き渡しで大きく揺れた二つの事件の関係者を訪ねて歩いた。【平川昌範、伊澤拓也】

ジラード事件 警察庁、殺人送致「回避」

 事件は63年前、群馬県の榛名山麓に広がる相馬ケ原米軍演習地(当時)で起きた。ウイリアム・S・ジラード3等特技兵(当時21歳)が近くに住む坂井なかさん(同46歳)を小銃で撃ち死亡させた。

 金属が貴重だった当時、住民は空薬きょうなどを拾って換金し、生活の足しにしていた。1957年1月、鉄くずを拾っていた坂井さんは「ママサンダイジョウビ。タクサン、ブラス(薬きょう)」とジラード元被告に手招きされる。近寄ると威嚇され、逃げたところを背中から撃たれたという。

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【日米地位協定】

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