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余録

「七つから寺子屋にもりしてもらふ」は江戸川柳…

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 「七つから寺子屋にもりしてもらふ」は江戸川柳。寺子屋に子どもを通わせた親は子守、子育てから解放されるという一面もあった。では次の川柳は何を意味しているのだろうか。「初午(はつうま)は世帯(しょたい)の鍵の下げ始め」▲2月の初午は寺子屋の入学日である。子どもが通い始めると、母親も働きに出る家が多かったようで、江戸時代版の「カギっ子」もいたのだ。「初午はまず錠前を覚えさせ」という句もある(市川寛明(いちかわ・ひろあき)ほか著「図説・江戸の学び」)▲子どもたちの手習いが目的の寺子屋だが、働く親には育児を代わってもらえる場所でもあったようだ。江戸時代にしてそうならば、今日の学校を教育という本来の目的だけで語れないのはもちろんだ。その突然の「一斉休校」という▲新型コロナウイルスの感染拡大防止にむけ安倍晋三(あべ・しんぞう)首相が表明した全国的な学校休校の要請である。試験は? 成績判定は? 卒業式は?……と教育現場の戸惑いも大きいが、深刻なのは突然の休校に対応のすべのない働く親たちだ▲看護師や保育士が休めば困る病院や保育所もある。感染拡大で後手後手を批判された政府が、ようやく打ち出した「先手」だが、医療などの社会機能の崩壊まで心配する声が出た。どうかリスクを現場に丸投げしないよう願いたい▲「師(し)匠(しょう)様風邪をひいたとうれしがり」は寺子屋が休みとなって喜ぶ子らの川柳だ。休んだはいいが、家から出にくい子どもたちにも、あまり楽しい思い出にはなりそうにない春・弥生(やよい)の大連休である。

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