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一斉休校、判断根拠示さず 具体策乏しく 感傷的に「断腸の思い」 首相会見

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記者会見で新型コロナウイルス対策として全国全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校に対する臨時休校の要請などについて説明する安倍晋三首相=首相官邸で2020年2月29日午後6時7分、川田雅浩撮影

 安倍晋三首相は29日の記者会見で、3月2日から春休みまで全国の小中高校に一斉休校を要請したことについて「万が一にも学校で子供たちへの集団感染のような事態を起こしてはならない」と説明したが、なぜ全国一律で長期間に及ぶ休校を判断したのかの根拠は示さなかった。10日程度での第2弾緊急対応策のとりまとめや、休校に伴う保護者の休職などに対応する新たな助成金制度の創設など対策を列挙したが、いずれも具体的な内容の説明は避けた。独断で休校要請に踏み切った首相だが、対応は後手に回っている。

 会見が行われたのは、27日に休校要請を表明してから2日後。記者団から「なぜ27日のうちに政府から詳しい説明がなかったか」と問われた首相は「判断に時間を割くいとまはなかった。十分な説明がなかったのはその通り」と釈明した。

 もともと与党からは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国民の不安が広がり「首相が説明すべきだ」との声が噴出していたが、首相官邸は「応じられない」と突っぱね続けた。衆院での来年度予算案審議の最中に、質問でウイルス対策のみならず桜を見る会や東京高検検事長の定年延長問題まで及べばダメージを受けかねないと政権が懸念したためだ。ところが首相自身が唐突に休校要請したことで混乱を招き、官邸も会見に応じざるを得なかった。公明党の斉藤鉄夫幹事長は「会見はこれまで求めてきたことであり、直接国民に呼びかけたことは評価したい」と語った。

 首相が繰り返したのは「これから1、2週間が瀬戸際」との専門家会議の見解だが、この見方は5日前の24日の時点で公表されている。唐突な休校要請は「断腸の思い」と感傷的に語ってみせたものの、なぜ1カ月にわたる休校を全国一律で求めたかについての説明は具体性を欠いた。

 首相は「あらゆる手を尽くす」と対策を列挙した。だが、緊急対応策の具体的な方向性は示さず、保護者の休職に伴う所得減少に対応する新助成金制度創設の対象や助成内容に触れなかった。「国民生活への影響を最小とするため、立法措置を早急に進める」と強調し野党に協力を求めたものの、立憲民主党の逢坂誠二政調会長から「内容が全く不明」と批判を浴びた。列挙した対策には、PCR検査(遺伝子検査)の保険適用などすでに打ち出した方針も目立ち新味は欠いた。

 これまで政府の水際対策は「後手に回った」と指摘され、唐突な休校要請も与党から批判を浴びたが、会見で際立ったのは首相の強気の姿勢だった。反省点を問われた首相は「常に正しい判断だったか、私自身も含めて教訓を学びながら自ら顧みることも大切だ」と明言を避け「政治は結果責任。その責任から逃れるつもりはなく、その責任を先頭に立って果たす」と強調した。「この会見で政権が盛り返す感じではない」。自民党の若手はこう漏らし、公明党幹部は「国民の心配や不安は相当大きく、世論の動揺がおさまるのは簡単ではない」と述べた。【野口武則】

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