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「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

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中村桂子・評 『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』『消えゆくアラル海 再生に向けて』

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 ◆『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』=ジェームズ・C・スコット著、立木勝・訳(みすず書房・4180円)

 ◆『消えゆくアラル海 再生に向けて』=石田紀郎・著(藤原書店・3190円)

農業は自然と向き合っているか

 一見無関係に見える二冊をたまたま同時に読み、現代文明がもつ自然との向き合い方を考えた。切り口は「農業」と「国家」である。

 人類は農業革命によって原始的な狩猟採集生活から脱却し文明への道を歩み始めたとされ、そこには定住生活こそ魅力的であり、それが国家を生み出したという前提がある。そこでの狩猟採集民は、「未開で、野生の、原始的な、無法の、暴力的な世界」にいるとされ、闇雲に山野を駆け回る姿で描かれる。実際は協働で堰(せき)や罠(わな)を作り、獲物を乾燥したり、更には野生種の穀草を育てるなど計画的に動いていたことがわかって…

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