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藤原帰一の映画愛

名もなき生涯 信念貫く人間描く、映画らしい映画

 テレンス・マリックの新作。孤高の芸術家としか呼びようのない映画監督でして、これまで半世紀近くにわたって、映画のしきたりや周りの流行に振り回されることなく、自分が正しいと考える映画表現を追求してきました。

 デビュー作「地獄の逃避行」は若い男女の連続犯罪と逃避行という、「夜の人々」「拳銃魔」、そして「俺たちに明日はない」などいい映画の多いお話ですが、それらの傑作を凌(しの)ぐ第一の出来映(できば)え。見たことのないアメリカ中西部の風景のなかに、そこの土から生えてきたかのように自然な人々を置き、極度に美しいうえに禍々(まがまが)しい映像をつくっていました。次の作品「天国の日々」では人間と自然の組み合わせがさらにふくらみ、語り手の伝える陳腐ともいえるストーリーと、どこまでも型にはまらない人間の姿が際立った対照を示しています。どちらもこれまで見た映画のベスト100に入れたい作品です。

 で、すごい人だと思ったら、そのあと映画作りをお休みして、次の「シン・レッド・ライン」公開は20年後のことでした。それから作品数が増え、「ツリー・オブ・ライフ」をはじめとして評価も高まり、映画史に残る作家としての名声を確立しました。

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