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余録

ひな祭りの由来は古代中国で…

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 ひな祭りの由来は古代中国で旧暦3月3日に行われた曲水(きょくすい)の宴だそうだ。酒杯を流れに浮かべ、通り過ぎないうちに詩を詠んで杯を取り上げる。4世紀に王羲之(おうぎし)が開いた宴が名高い。詩作の序文が行書の最高傑作「蘭亭序(らんていじょ)」だ▲災いばらいの意味もあり、日本に取り入れられた後、紙の人形などを流すようになり、飾りびなにつながったという。先人たちは中国から政治制度や文化を学ぶ一方、独自のアレンジを施した。ひな祭りもその一つかもしれない▲「令和」の典拠である万葉集の「梅花(うめのはな)の歌三十二首」序文は730年に大宰府の大伴旅人(おおとものたびと)邸で開かれた宴会について記した漢文で「蘭亭序」の影響があるという。酒を酌み交わして歌を作るのも曲水の宴と似るが、和歌を詠んだのは日本流だ▲旅人は前年、奈良の都で起きた「長屋王の変」に衝撃を受けたらしい。藤原氏の陰謀で自害した長屋王は旅人とも親交が深かった。文才も豊かで万葉集や日本最古の漢詩集「懐風藻(かいふうそう)」に作品を残している▲長屋王は日中関係にも大きな影響を与えた。聖武天皇に戒を授けた鑑真(がんじん)の来日だ。鑑真は長屋王が生前、遣唐使に託した袈裟(けさ)に記された漢詩に感銘し、訪日を決意したとされる▲「山川異域(さんせんいいき) 風月同天(ふうげつどうてん)」で始まる詩は場所は違っても心は通じ合えるという意味だ。東京から新型肺炎に苦しむ湖北省に送られた支援物資に記され、1300年にわたる縁が中国の人たちを感動させた。日中関係を考える上では、やはり長い歴史への理解が欠かせない。

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