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元戦艦「大和」乗組員・八杉康夫さん=1月11日死去・92歳

八杉康夫さん 元戦艦「大和」乗組員=広島県福山市で2014年7月28日、栗原俊雄撮影

 75年前の4月、沖縄に上陸した米軍を撃破すべく戦艦「大和」が護衛する9隻とともに本土を離れた。「不沈艦」と言われ、3332人が乗っていた巨艦は戦闘2時間ほどで撃沈された。生還者は1割以下。当時17歳の八杉さんはその一人だった。

 広島県福山市出身。15歳で海軍を志願。街を歩く水兵たちはおしゃれで、香水のにおいがした。「コロンと参ってしまいました」。1945年1月、憧れの「大和」に乗艦した。「天にも昇る気持ち」。3カ月後「大和」は沈んだ。護衛の駆逐艦が、漂流する兵士を救うロープを下ろす。すると「地獄の争い。階級も年齢も関係ない。怒号が飛び交っていました」。極限状態で見える人間の地金をみた。

 生還し同県の呉に移った。8月6日。広島市への原爆投下後、復旧作業に向かった。戦後は音楽への興味を生かし調律師を目指した。身を立てるめどがたったころ、被爆の後遺症が表れた。「いい人だけど、被爆者では……」。見合いで、そう断られた。その後は音楽工房を営みつつ、「大和」で亡くなった人たちの慰霊を続けた。講演やメディアへの対応など、「語り部」としての活動もこなした。

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