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隣国の人たちに対する憎悪をあおる「ヘイト本」が書店に並ぶ光景は珍しくなくなったが、慣れることはない。そして思うのだ。なぜヘイト本はまん延するのか、と。昨年末、そのナゾを解き明かす本が刊行され、それを機に書店発の反ヘイトイベントが活発に行われている。【鈴木美穂】
児童書を扱う書店としては異色の主催イベントだった。東京・銀座の教文館ナルニア国の連続トークセッション「いま、“本屋”で『ヘイト本』と向き合う」。この日は「日本社会とヘイト本」をテーマに、元書店員でライターの永江朗さん(61)と、出版社勤務の経験があるライターの武田砂鉄さん(37)が議論した。永江さんが著した「私は本屋が好きでした」(太郎次郎社エディタス)は刺激的なタイトルで業界を騒然とさせたという、くだんの本である。
会場に詰めかけた約100人を前に冒頭、あいさつに立ったナルニア国店長の川辺陽子さん(45)がこう切り出す。「私たちがヘイト本を実際に売ったり目にしたりする機会は少ないのですが、自分のこととして考えなければとの思いがありました」
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