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社説

生活必需品の売り切れ 情報見極め冷静な行動を

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 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、各地の小売店でトイレットペーパーやティッシュペーパーなどが売り切れる現象が起きている。

 実際は十分な在庫があるのに、買いだめをする人が相次いだためだ。

 インターネット上で「マスクの増産に伴って紙製品が品薄になる」とデマが流れたのがきっかけという。店頭から商品が消えていくと、さらに人々が買いだめに走り、品薄に拍車がかかる悪循環が生まれる。

 47年前にも、石油ショックの際に店頭からトイレットペーパーが消えた。先の見えない状況に社会の不安が高まり、デマに人々が動かされる。当時の様子は、今に重なる。

 そのうえ、現在はSNS(交流サイト)の普及でデマが瞬く間に広まる。政府の説明とは裏腹に、マスクの品薄が解消されないことも、不安な心理を増幅させている。

 米やパスタ、缶詰など保存食品が売り切れる店もある。政府の一斉休校要請によって、家庭が急な対応に追われている面もあるのだろう。

 身近な場所で生活必需品を容易に入手できない事態は、人々の暮らしを脅かす。特に、1人暮らしの高齢者ら生活弱者への影響は深刻だ。繰り返されると、社会的なパニックを誘発しやすくなる。

 新型コロナウイルスに関する政府の対応は、後手に回ってきた。今回の現象は、国民の間に募っている不信感と無縁ではないだろう。

 政府は商品の生産態勢や在庫について数値を示しながら、消費者に落ち着いた行動を呼びかける必要がある。品薄が起きないように、監視を強めることが求められる。

 とりわけ、ネットを通じた高値での転売や、そのための買い占めは問題が大きい。経済産業省は大手ネット通販業者に、今月14日からマスクなどの出品を自粛するように要請したが、もっと早めるべきだ。

 業界団体や企業がメディアなどを通じ、在庫状況を紹介することも有効ではないか。広く小売店に並ぶように流通段階で工夫をしてほしい。

 消費者の自覚も大切だ。軽い気持ちで必要以上に買い増すことが品不足につながる。品薄で高値になった商品を大量に購入すれば結局、損をすることになる。情報を見極めて、冷静な行動を取りたい。

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