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毎日新聞経済面に連日連載の経済コラム。経営者や経済評論家らが独自の視点で、経済の今とこれからを展望する。

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LNGのスポット市場に注目=国際公共政策研究センター理事長・田中直毅

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 液化天然ガス(LNG)市場に根源的な変化が訪れた。要因は三つだ。第一は地球温暖化の抑制の観点から、石炭や石油からガスへと需要転換が進むことだ。今後は世界的に見て石炭や原油への掘削投資は抑制されるが、LNGへの投資は別の趣であろう。

 第二はLNG需要の拡大のなかで、供給のあり方に変化が生じ、需給のみに価格決定が委ねられる先物取引を含む市場取引の比重の増大が見られる点だ。かつては供給国と需要国との、1対1でのLNGの長期的引き取り契約の成立が、ガス開発の投資決定の前提条件だった。

 LNGは液化設備への投資、ガス運搬船の建造、需要地における加圧式タンク基地建設という一連の整備が不可欠となり、流通経費は割高となる。たとえば米国産のシェールガスを東アジアのタンクに運ぶ場合、100万BTU(英国熱量単位)あたり約2ドルの追加費用がかかる。しかし中国のLNG消費市場の飛躍的増大を考えれば、買い手を特定しない段階でのガス開発投資を先行させた方が賢明であるとガス掘削会社は考えるようにな…

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