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大岡信と戦後日本

/22 連句を始める 集団制作に「病みつき」

大岡信

 1970年10月12日、東京・溜池山王の料理屋に大岡信は足を運んだ。他に詩人の安東次男(19~2002年)、作家の丸谷才一(25~12年)と編集者の計4人がこの場所に集った。安東が著した評伝『与謝蕪村』の出版祝いで、安東の声掛かりにより連句を巻こうという話になった。

 安東は加藤楸邨(05~93年)に師事した俳人でもあり、とりわけ『芭蕉七部集評釈』などの執筆を通じ松尾芭蕉の連句を読み込んでいた。小説、評論で幅広く活躍した丸谷も、日本古典に並々ならぬ関心を寄せた人である。

 4人による連句の会の始まりについて、大岡はこう記している。「定刻についてみると、流火山房主人こと安東さんはすでに早くに到着、いざカワイガッテやろうず、とばかりわれわれを待ち構えている。/もちろん、目ざすは三十六句の歌仙一巻である」(『連詩の愉(たの)しみ』91年)

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