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河井夫妻の秘書逮捕 議員本人の責任は免れぬ

 河井案里参院議員の公設第2秘書と夫の克行前法相の政策秘書ら3人が、公職選挙法違反容疑で広島地検に逮捕された。

 案里氏が初当選した昨夏の参院選で、選挙カーの車上運動員に対し、法定上限を超える報酬を支払った運動員買収の疑いがある。

 車上運動員の日当は1万5000円が上限と定められ、これを上回る報酬を支払えば買収に当たる。政治家にとってイロハのイの常識だ。

 買収は自由で公正な選挙を損なう行為であり、公選法で禁止されている。陣営は上限の倍となる3万円を支払っていた疑いが持たれている。事実なら言語道断である。

 選挙運動の責任者や秘書らが買収で有罪になれば、連座制が適用されて候補者の当選が無効になる。

 案里氏の秘書は克行氏の元秘書であり、選挙では車上運動員との連絡や報酬の支払いを担当していた。これまでの地検の聴取に、違法性を認識していたと話しているという。

 克行氏の秘書は遊説を統括するなどしていた。選挙運動を事実上取り仕切っていたのは、克行氏だったとの陣営関係者の証言もある。

 選挙運動の実態や秘書の立場、克行氏が果たした役割について、地検には徹底した解明が求められる。

 改選数2の広島選挙区には、自民党候補として現職の溝手顕正氏がいた。選挙直前、地元の頭越しで案里氏が2人目の候補に擁立され、案里氏は当選し、溝手氏は落選した。

 克行氏は安倍晋三首相の補佐官を務め、菅義偉官房長官にも近い。案里氏側には党本部から、溝手氏の10倍となる1億5000万円もの選挙資金が振り込まれた。陣営に首相の秘書が応援に入った。

 案里氏に肩入れした自民党も、事件を重く受け止める必要がある。

 昨年10月の週刊誌報道後、河井夫妻は臨時国会を欠席し、地元事務所の捜索時も「捜査中」を理由に説明を拒んだ。秘書の逮捕を受けて事務所が出した文書でも「事実関係のコメントは差し控える」と記した。

 こうした事態に至っても、説明しようとしない姿勢は許されない。まして克行氏は、法秩序を守る法務省のトップだった。無実の説明ができないのなら、国会議員として自らけじめをつけるべきではないか。

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