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 島に暮らす作家に会いに行った。

 飛行機で同じ列の席には、そろってふくよかというか、体格のよい女性がふたりいた。仲がよいようでずっと喋(しゃべ)っていた。

 これが日本語だと話の内容がわかるから、うるさいなあと思うだけだったかもしれない。フランス語のようだったが、耳にしたことのない音楽的な抑揚で、内容を理解するというより、呼応しあい、混じりあい、ときに笑いで爆発する声の流れに耳を傾けて、というか、体そのものが傾いていたようで、となりの中年の女性の肉づきのよい肩に僕の肩も触れており、そこから間歇(かんけつ)的に小さな揺れが伝わってきた。

 美しい色の羽根を持つ小鳥たちが目をくりくりさせ、弾むような鳴き声を上げながら、森の奥のきれいな川で、太陽の光を浴びてキラキラ輝く水滴を飛び散らしながら水浴びをしている光景を僕は見つめていた。つまり女性たちの話し声に包まれて、ほとんど眠りに落ちていたということだ。

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