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記者の目

「パラサイト」にみる韓国の現実 下層からの出口どこに=堀山明子(ソウル支局)

映画「パラサイト」の撮影地になった雑貨スーパー。近くに半地下住居の並ぶ一角がある=ソウル市麻浦区で2020年2月26日、堀山明子撮影

 韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が米アカデミー賞で作品賞など4冠を達成した。貧困を象徴する「半地下」という生活空間を描いた映画は、多くの韓国民が「より上」の暮らしを競う中、目をそらしてきた根源的な問いを突きつけたように感じた。それは、現代社会で「下層」から抜け出す出口はどこにあるのか、という問いだ。

 2月のアカデミー賞発表後、ソウル駅から西へ約1キロのソウル市麻浦区の住宅街に、半地下をのぞいてまわる観光客が訪れるようになった。映画の冒頭で、半地下に暮らすキム一家の長男が友人と話す場面が撮影された雑貨スーパー周辺だ。ロケに使われたコンクリートの急階段は店のすぐ脇にある。日本人女性2人が住民にカメラを渡し、撮影してもらっていた。「韓流ファンの友達に写真を見せて、自慢する」と声を弾ませた。

 半地下とは、アパートの居室の低い部分は地下1階にあるものの、天井近くの高い所に窓がつき、地表に顔を出している住居を指す。湿度が高く、かびや虫が出やすい半面、家賃は1階以上の住居に比べて極めて安い。1970年代、南北分断の緊張下で防空壕(ごう)として生まれ、88年のソウル五輪に向けた都市の人口増と経済発展の中で急速に広がった歴史的な産物だ。

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