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第93回センバツ高校野球

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新型肺炎 センバツ無観客、球児は複雑 「夢ついえず」/「一丸難しい」

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、開催の可否が検討されている第92回選抜高校野球大会(19日開幕)。4日開かれた運営委員会で、無観客での開催を前提に準備する方針が確認された。開催の可否は11日に協議されるが、出場校からは「選手たちの夢がつながった」などの声が上がった。【川村咲平、磯貝映奈、高橋由衣、三浦研吾】

無観客でのセンバツ開催の発表を受けて記者会見をする国士舘の(左から)渡辺隆部長、永田昌弘監督、岩淵公一校長=東京都世田谷区で4日、藤井達也撮影 拡大
無観客でのセンバツ開催の発表を受けて記者会見をする国士舘の(左から)渡辺隆部長、永田昌弘監督、岩淵公一校長=東京都世田谷区で4日、藤井達也撮影

 2年連続の出場となる国士舘(東京)は4日夕、国士舘大のキャンパス(東京都世田谷区)で記者会見を開いた。報道陣が詰め掛ける中、野球部の永田昌弘監督(62)は「何とか試合をさせてあげたかった。(大会開催は)まだ確定したわけではないが、正直ありがたい」と率直な気持ちを語った。

 21世紀枠で46年ぶりの出場を決めている磐城(いわき)(福島)の阿部武彦校長(60)は「子どもたちの夢がついえなくてよかった」と、現段階で中止にならなかったことを安堵(あんど)した。県立学校の磐城は県教委の方針で3月4日から休校となっており、部活動も自粛中。木村保監督(49)は「練習できる環境を整えたい」と話した。

 同じく21世紀枠で初出場する帯広農(北海道)の前田康晴監督(44)は「選手たちは一生に一度のつもりでやっている。(開催されれば)選手はすごくうれしいと思う」と話した。ナインは3月1日から全員が自宅待機中で、体調管理や個人練習をしている。井村塁主将(2年)は「ほっとした。やるべきことをしっかりやっていきたい」とのコメントを出した。

 一方、複雑な心情をのぞかせる球児もいる。夏春連覇がかかる履正社(大阪)の関本勇輔主将(2年)は「(開催されれば)コロナウイルスの影響で大会に出られない(他競技の)同級生の分も頑張ろうと思う」とコメント。

 2019年秋の明治神宮大会を制した中京大中京(愛知)の高橋源一郎監督(40)は、開催の場合でも無観客試合となることについて、「控え選手がスタンドで応援できなければ、チーム一丸となって戦うといっても難しい」と打ち明けた。

「感染防止策を」 文科省幹部

 選抜高校野球大会は「無観客試合」を前提に準備が進められることになった。新型コロナウイルスの感染拡大で、同じ高校スポーツが軒並み中止となる中、判断が分かれた。

 安倍晋三首相が2月27日に小中高などに休校を要請したことを受け、文部科学省は翌28日付で全国自治体に学校教育活動の一環の部活動の自粛を求めた。全国高校体育連盟は同日付で「今後の選抜大会の対応について」と題する文書を各競技団体に送付。「要請に基づき、今後の選抜大会中止等への適切な判断をお願いします」と事実上、中止を促した。

 高体連には33競技団体が加盟するが、3月に予定される25の選抜大会のうち、ラグビーや柔道、卓球などの24大会が中止となった。残るテニスの選抜大会も規模縮小が検討されている。あるスポーツ団体の幹部は「政府の要請が出て、ガラリと雰囲気が変わった」と説明した。

 野球は高体連に加盟せず、独自に日本高校野球連盟を組織している。高野連は1948年発足の高体連より歴史が古く、46年に前身の全国中等学校野球連盟を発足。独立した組織として歴史を歩み、東日本大震災後も高体連傘下の多くの競技団体が中止を決める中、選抜大会を実施した。

 文部科学省幹部は「基本は自主判断。休校も地域によって対応は分かれている。判断を尊重するということに尽きるんじゃないか。いろんな意見が出るのは当然。とにかく丁寧に説明し、やるなら、きめ細かい感染防止策を講じる必要がある」と受けとめた。【田原和宏、小林悠太】

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