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官邸「甘く見て」突破された水際 新型コロナ、経済優先で対策二の足

首相官邸=本社ヘリから

 新型コロナウイルスの国内での感染拡大は、全国一律の学校休校や、北海道での外出自粛に発展した。年初の段階で中国全土との往来を規制すべきだったとの声もあるが、当時は中国国内の状況が十分に伝わらず、訪日外国人の経済効果に配慮したこともあり、日本政府の独自判断でのシャットアウトには踏み切れなかった。中国の習近平国家主席が感染抑止の「重要指示」を下したのは1月20日。その2日前の18日に東京湾の屋形船で行われた宴会で、日本国内の感染は既に拡大していた。「水際」が突破された経緯を振り返った。

 「一部の医療機関から『華南海鮮市場』と関係した肺炎患者の報告が相次ぎ、調べたところ、現在までに27人の病例が見つかった。これまで明確なヒトからヒトへの感染や医療従事者の感染は見つかっていない」――。武漢市衛生健康委員会が、原因不明の肺炎の流行を初めて公式ウェブサイトで発表したのは2019年12月31日だった。

 しかしその後、英医学専門誌ランセットに、武漢市の医師らが初期の患者41人の病状を分析した論文を発表。それによると最初の感染者の発症は同12月1日。この患者は発生源とされた海鮮市場に出入りしておらず、家族にも発熱などの症状は表れなかったという。

 ウイルスの遺伝子を分析した中国科学院などの発表でも、同11月下旬にはヒトからヒトへの感染が始まり、その後、市場で感染が加速したと示唆された。武漢市の発表は市場から感染が始まったかのような印象を与えるが、発表時には既に「ヒト・ヒト感染」が広がっていた可能性が高い。

 1月12日以降の発表では二つの変化が起きた。一つは発表文から「医療従事者の感染は確認されていない」などの記述が消えたこと。中国誌「中国新聞週刊」(電子版)によると、実は1月11日ごろには、武漢協和病院での大規模な院内感染が疑われていた。同病院の神経外科医が男性患者(69)を1月7日に手術した後、神経外科の看護師らが次々と発熱し、肺炎と診断されたという。患者も同11日に発熱し、肺炎と診断された。病院関係者からの暴露を恐れて発表文を変えたとも考えられる。

 もう一つは新たな感染者が突然ゼロになったことだ。同12~17日は累計41人のままで、その間に湖北省の地方議会にあたる省人民代表大会が武漢市で開催されていた。同18日には武漢市内の「百歩亭社区」で4万超の世帯が料理を持ち寄って春節を祝う恒例行事「万家宴」が開かれた。

 中国国内では早い段階から武漢市の「そんたく」が疑われてい…

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