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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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保全管理の補助額 期限切れ「3分の1」に 農家「完全な赤字…」 福島・営農再開3割止まり

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除染土の仮置き場となった自身の農地を見つめる菅野晃明さん=福島県葛尾村で、渡部直樹撮影
除染土の仮置き場となった自身の農地を見つめる菅野晃明さん=福島県葛尾村で、渡部直樹撮影

 東京電力福島第1原発事故の避難指示が解除された地域で、住民の帰還が進まず、営農の再開が遅れている。再開を後押しするために農地の保全管理に補助金を出してきた制度も期限を迎えつつある。一方で被災地では農業の担い手向けの農地を集約し、先端技術で効率よく農作業をする取り組みが進められている。【渡部直樹】

 「田んぼがきれいになっているって言われるのがうれしいんだ」。阿武隈高地の山あいにある福島県葛尾(かつらお)村。菅野晃明(みつあき)さん(79)は草刈りをした農地を見渡した。2011年の原発事故の2年後から、妻や長男とともに集落内外の約10ヘクタールを刈り続けている。16年6月、村の大部分で避難指示が解かれたが、帰還したのは集落約45軒のうち半数。戻っても、高齢のため農業を再び始められない住民もおり、営農再開面積は村全体で1割だ。

 農家の7代目。事故までは、他の農家から請け負った分も含めて約10ヘクタールでコメを作っていた。しかし原発事故で状況は一変。自らの農地の大半は除染で生じた土を保管する仮置き場になった。除染土は既に搬出されたが、放射線を遮るために使われた土のうが残されている。菅野さんに農地が返還されるのは22年の見通しだ。

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【東日本大震災】

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