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シネマの週末・時代の目

ダンシングホームレス 世間の価値観を強いず

映画「ダンシングホームレス」の一場面

 「新人Hソケリッサ!」は、路上生活者のダンス集団だ。プロのダンサー、振付師として活躍したアオキ裕キが主宰し、公演もする。その活動を追ったドキュメンタリーである。これが、脱落者の社会復帰に尽力する篤志家と、人生を取り戻す人々の物語なら美談に終わるところだが、そんな王道をちょっと外れている。アオキは「社会のルールが、いいですか?」と言い放ち、彼らの人生から生まれるダンスを追究するのである。

 アオキの指導は団員をあえて統率せず、心と体を解放させて感じるままに動かせる。団員それぞれに路上生活にいたる過去がある。凄絶(せいぜつ)な苦闘もあれば、路上を選んだ人もいる。アオキ自身は、米国留学中に遭遇した9・11テロで、ダンスの根源を見つめ直したという。彼は団員に“まっとう”な人生を強制しない。

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