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余録

古代中国の秦で…

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 古代中国の秦(しん)で法による統治へむけた改革に辣腕(らつわん)をふるった法家(ほうか)の政治家・商(しょう)鞅(おう)だが、守旧派の反発もかった。王の代替わりにともなう政敵の動きに身の危険を感じて都から逃亡、途中で宿に泊まろうとした▲すると相手が商鞅と知らぬ宿の主が「商鞅様の法律で旅券のない者は泊めてはならないことになっています」。けんもほろろに断られた商鞅は「法を徹底させた結果がこうなるとは……」と嘆息する▲こちらも前の法相だった政治家夫妻をめぐる応報説話というべきか。河井案里(かわい・あんり)参院議員の秘書と夫の克行(かつゆき)前法相の秘書ら3人が公職選挙法違反容疑で逮捕された。昨夏の参院選で車上運動員に法定限度の倍の報酬を払っていたという▲およそ政治にかかわる者なら運動員への報酬上乗せが「買収」にあたるのは常識である。「河井ルール」とはこの報酬上乗せの地元での呼び名という。法律が都合悪ければ、自分たちのルールを設ければいいという前法相夫妻の陣営だ▲案里氏の選挙運動は事実上、克行氏が取り仕切っていたといわれる。捜査ではその役割も含め、河井ルールが陣営内で公選法をあざ笑う常識となった子細(しさい)を解明してほしい。秘書らが有罪なら、当選無効となる連座制(れんざせい)の適用もあろう▲案里氏には自民党本部から同じ選挙区で落選した自民候補の10倍の選挙資金が渡っていた。よほど特別ルールの好きな夫婦らしい。政治家としての説明責任を果たすつもりもなさそうで、ここは商鞅を嘆かせた法の厳正に期待するしかない。

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