気仙沼の漁師を訪ねたときのことだ。海にいるのかと思いきや、岸辺の作業小屋でもくもくと慣れた手つきで漁網の補修をしていた。海が荒れているシケの日は無理に漁に出ず、穴の開いた網をつくろうのだという。天候が落ち着き、いざ漁に出ようというときに、網に穴が開いていたらとれる魚もとれない。「シケにはシケの仕事があるんだよ」とその漁師が教えてくれた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、個人も企業も自治体も対応を迫られている。いつもどおりの生活や営業ができない状況で、不安も募るが、淡々と「いまできること」をすることも大切なのかもしれない。
この記事は有料記事です。
残り452文字(全文718文字)