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後奈良天皇の書、自筆と確認 愛知・豊橋の元私設図書館所蔵 後陽成天皇の書も

後奈良天皇の宸翰と確認された和歌懐紙=愛知県豊橋市中央図書館で2020年3月5日午後1時25分、石塚誠撮影

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 愛知県豊橋市は5日、市内にあった江戸時代の私設図書館「羽田八幡宮文庫」が所蔵していた戦国時代から江戸時代の後奈良(ごなら)天皇と後陽成(ごようぜい)天皇の宸翰(しんかん)(天皇自筆の文書)と伝わる書の真贋(しんがん)調査をした結果、いずれも本物だと確認されたと発表した。調査に当たった京都大大学院の上島享(うえじますすむ)・文学研究科教授(中世史)は「地方の私設文庫に天皇ゆかりの名品が所蔵されていたことは極めて珍しい」と話している。

後陽成天皇の宸翰と確認された「花鳥風月」大字=愛知県豊橋市中央図書館で2020年3月5日午後1時21分、石塚誠撮影

 市によると、同文庫は江戸時代の1848(嘉永元)年、地元の町人らが羽田八幡宮内に開設。明治時代後期に閉鎖され蔵書は売却されたが、その後買い戻され、それを元に1913(大正2)年に豊橋市立図書館が開館した。本物と確認された2点は現在、同八幡宮が所蔵している。

 第105代天皇・後奈良天皇の宸翰(縦約32センチ、横約55センチ)には「明わたると山の さくら夜のほとに 花さきぬらし かゝるしら雲」(すこしずつ夜が白んで明けわたっていく 里に近い外山の桜は 一夜にして花が咲きそろった 白い雲が今朝は山のあちこちにかかって見える)、「なきぬへき夕の そらをほとゝきす またれむとてや つれなかるらむ」(鳴いて当然の夕方の空なのに うぐいすはもっと人から待たれようと思って つれなくするのであろうか)と恋愛感情を詠んだ和歌2首が記され、第107代天皇・後陽成天皇の宸翰(縦約52センチ、横約32センチ)には「花鳥風月」と書かれている。いずれも「打雲(うちぐもり)」と呼ばれる、天皇など使用する人の限られる高級料紙に書かれていることや筆跡などから本物と確認したという。

 後奈良天皇の宸翰の来歴は不明だが、後陽成天皇の宸翰は江戸時代にこの地を治めていた吉田藩の家老・和田元長が同文庫に奉納したとされている。上島教授は「宮家と豊橋の関係を知る手がかりになる」と話す。同八幡宮は2点のほか、鎌倉時代の第94代天皇・後二条天皇の宸翰とされる書も所蔵し、真贋調査をしたが判断資料がほとんどなく特定に至らなかったという。一般公開の時期は未定。【石塚誠】

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