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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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東日本大震災被災地に安らぎを 阪神被災経験持つ僧侶、二胡演奏続ける

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 東日本大震災の被災地で、中国の伝統楽器「二胡(にこ)」の演奏を続ける僧侶がいる。自らも阪神大震災で被災した経験を持つ浄土宗善福寺(奈良県天理市和爾町)の川野真広(しんこう)副住職(41)。「自分に何ができるのか」と悩みながら、独特の繊細な音色が被災者たちの安らぎとなることを願う。

 川野さんは寺の生まれではなく、父で善福寺住職の隆潤(りゅうじゅん)さん(78)も50代まではサラリーマン。1995年の阪神大震災当時は家族5人、神戸市東灘区で暮らしていた。激しい揺れで、一軒家の1階はぺしゃんこに。家族は2階で寝ていたため全員無事だったが、倒壊した家々や充満するガスの臭い、どこからか聞こえる叫び声に「世界の終わりだ」と思った。裸足だったため救助活動にも参加できず、がれきをかき分け子どもを捜す人に懐中電灯を照らすのがやっとだった。

 2日後、姉と共に、母方の祖母が住職をしていた奈良県桜井市の寺に避難した。祖母宅でテレビを見て、初めて被害の大きさを知った。「自分は何もできずに逃げ出した」。そんな後ろめたさが胸に刻まれた。

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