メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

「蟄虫戸を啓く…

[PR]

 「蟄(ちつ)虫(ちゅう)戸(こ)を啓(ひら)く」。冬ごもりしていた虫が穴から出る二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」である。騒がしい世相に気をとられていたら、今年はおとといさりげなくやって来ていた。今季は暖冬でもっと早く起きた虫もいよう▲しかし目覚めた虫たちも、いつもとは少し様子の違う春に気づいたかもしれない。冬ごもりを終えた自分たちと入れ替わるように、人間たちが巣ごもりを始めていたからだ。新型コロナウイルスの感染拡大による“春ごもり”である▲巣を意味する英語「ネスト」に「ing」をつけた「ネスティング」とは、旅行や外食より自分の家を居心地よくして楽しむライフスタイルをいう。日本ではリーマン・ショックや東日本大震災でも話題となった「巣ごもり消費」だった▲巣ごもり消費は中国語で「宅経済」という。コロナ感染拡大による当局の外出規制でネットゲームや動画、ネットショッピングといった宅経済が人々の心の安定と物品調達を支えているようだ。このコロナ禍(か)消費、世界に広がるのか▲日本では学校の一斉休校以後、加工食品や食材の宅配サービス、学習参考書や書籍、在宅学習サービスなどの利用や購入が増えている。さしあたりは家にいる子どもの食事の用意や勉強への対応に手いっぱいという感じの巣ごもりだ▲「人間の海鼠(なまこ)となりて冬籠(こも)る」は寺田寅彦(てらだ・とらひこ)の句。史上最も早い桜の開花予想の聞こえる春にナマコとなってもいられない。ここはネスティングの知恵にも学んで、巣ごもり消費の新機軸を探ってはどうか。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「限界だった」たった1人の介護の果て なぜ22歳の孫は祖母を手にかけたのか

  2. 所信表明さながら? 枝野氏「共生社会」提唱で対立軸設定急ぐ

  3. ここが焦点 大阪市廃止で職員9割が特別区へ 人員配置計画に内部から懸念の声 都構想

  4. ボンベガス吸う遊び中に爆発、アパート2室焼ける 重過失失火容疑で10代3人逮捕

  5. 史上最大級の「ペヤング超超超超超超大盛やきそばペタマックス」発売へ 通常の約7.3倍 まるか食品

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです