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時の在りか

コロナウイルスとの対話=伊藤智永

=コラージュ・清田万作

 ウイルスは生物か、無生物か。生命の最小単位である細胞を持たず、代謝も、自己増殖もできないが、他生物の生きた細胞に感染した時だけ増殖し、変異し、生物に似た生態を示す。つまり、どちらでもあり、どちらでもない。それが数十億年の間、宿主の他生物と共に進化してきた。

 私たちの身体は異物が入ってくると、免疫反応で抗体を作り、同じ異物を排除する。このしくみを利用し、あらかじめ弱い、または死んだ微生物を体内に接種しておくと、感染時の重症化を防げる。ウイルスはラテン語の「毒」が語源だが、ワクチンはウイルスそのものか、その一部である。

 ヒトが宿主の場合、ウイルスと「戦う」という言い方は注意を要する。私たちは、ウイルスと戦う感染者や接触者たちを、ウイルスとセットの「敵」に見立ててしまいかねないからだ。スマホで感染者の個人情報や行動を追跡するサービスも登場した。買い占めと同じく節度なき個別利益の追求は、社会全体の力を弱め、回り回って得した個人を追い詰める。

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