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「面白い!読ませる!」と好評の読書欄。魅力ある評者が次々と登場し、独自に選んだ本をたっぷりの分量で紹介。

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今週の本棚・この3冊

国際女性デー 加藤陽子・選

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<1>伊藤野枝集(森まゆみ編/岩波文庫/1243円)

<2>上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!(上野千鶴子、田房永子著/大和書房/1650円)

<3>女性のいない民主主義(前田健太郎著/岩波新書/902円)

 今日が国際女性デーだとお気づきの方はどれほどおいでだろうか。「初めて聞いた」との反応が多い場合、理念的には二つの社会が考えられる。一つは、このような日への注目度がとても低い社会。もう一つは、記念日として啓発する必要がもはや無い社会。残念ながら現在の日本は前者に属する。昨年には男女平等指数が過去最低の121位を記録したと報じられた。

 女性の「生きにくさ」は、時々の政治制度や文化規範によって変わるので、容易な比較はできない。だがせっかくの記念日だ、百年前と比べてしまえと思って<1>を繙(ひもと)く。赤子を背負い、降り止(や)まぬ雪の夜、姑(しゅうとめ)と小姑のいる家に勉強会から帰ってゆく主人公を冒頭に登場させた小説「乞食(こじき)の名誉」を大杉栄と共に伊藤野枝が書いたのは丁度(ちょうど)百年前。編者の確かな眼力のおかげで、あら…

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