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持田叙子・評 『誰にも相談できません みんなのなやみ ぼくのこたえ』=高橋源一郎・著

 (毎日新聞出版・1540円)

 人生相談。

 あらためて考えると奥が深い。ものすごく深い。昭和の雑誌・新聞に必ず「人生相談」はあった。なんと今もある。多くのものが変化し消えたのに、人生相談は消えない。時代をこえて生きる。人間が不変に求めるこころの窓口なのだ。

 相談者と回答者。二人がいて生まれる世界。じつはこの関係性、けっこう難しい。悩み弱る人に対し、上から目線になる習性が人間にはある。相談者をみちびく教師と化し、「そんなことでどうするの」と説教したくなる癖が人にはある。人間のある種の支配本能だ。叱られたいと願う人もいる。これまた人間の裏返しのマゾ本能。

 本書の回答者は作家の高橋源一郎氏。この分野における現在の最高峰だと思う。叱りたい、叱られたい、という人類のサド・マゾ本能を知性の力で掃除する。人生相談にありがちの道徳のシバリを徹底的に取っ払う。いい悪いではなく、相談者の「人生」が楽しく豊かになるよう頭をひねる。

この記事は有料記事です。

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