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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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「二度と原発事故を起こさない」福島で学ぶ“ホープツーリズム” 観光復活へ手探り

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ホープツーリズムに参加し、東京電力廃炉資料館で担当者の説明を聞く教員ら=福島県富岡町で2020年2月22日、小川昌宏撮影
ホープツーリズムに参加し、東京電力廃炉資料館で担当者の説明を聞く教員ら=福島県富岡町で2020年2月22日、小川昌宏撮影

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故により、大きな被害を受けた福島県で、旅行者が復興に関わる住民と対話する「ホープツーリズム」に注目が集まっている。一方で観光産業は内陸部の会津地方を中心に回復するが、沿岸部では原発事故の影響が残り、その兆しは見えていない。【寺町六花】

いわきで回復、相双で苦戦 観光格差

 景勝地の松原や海の幸を求める観光客を集めた福島県相馬市の松川浦。東日本大震災で市内で400人以上が亡くなった。「丸三旅館」も津波で2階近くまで浸水。2012年1月に再開すると、福島第1原発事故に伴う除染作業員らが押し寄せた。旅館を経営する管野正三さん(59)は「(経営が順調だと)錯覚しそうになった」。貸し切り状態が続いたが、除染作業の収束などに伴い宿泊客は減少。管野さんは「観光客は戻っていない」と話す。

 12年に約13万3900人いた松川浦の宿泊者は18年に約6万1400人と半減。後継者不足も重なり、震災前に40軒近くあった旅館の4分の1は閉業した。松原は流され、潮干狩りでにぎわった干潟もなくなった。原発事故で魚種や海域を制限した試験操業が続き、自慢の海の幸も仕入れが限られた。

 福島県沿岸部「浜通り」の観光は津波と原発事故で深刻なダメージを受けた。18年の観光客数はいわき市で震災前の75%、同年度のスポーツ合宿や修学旅行といった教育旅行宿泊者数は1・1倍に回復。市の担当者は「首都圏からアクセスが良く宿泊施設も多い。温泉リゾートなど従来のメニューに震災学習を組み合わせるのが人気」と分析する。これに対し、同市をのぞいた…

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【東日本大震災】

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