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アートの扉

藤野一友 抽象的な籠 空洞の体、不条理な世界

 どこか人工物を思わせる、なめらかな白い肌。1人の若い女性が全裸で眠っている。その表情は陶然としているようにも見える。もしかすると、彼女の命は既にないのかもしれない。寝台からはみ出し、こちらに向けられた顔は死に化粧を施したかのよう。唇がピンク色に輝いている。背景に広がる空の色は青く、クールなたたずまいを示すが、画面上部に現れた雲らしき形象はどんよりと暗く、うごめいている。不吉な物語を予感せずにはいられない。

 作者の藤野一友は、この絵を発表した1年後の1965年、30代の若さで脳卒中で倒れ、半身不随に。懸命にリハビリに取り組み、再起を目指したが、以来、二度と本格的に絵筆をとることはできなかった。結果的に画家の代表作となった本作は、自身が強く影響を受けたサルバドール・ダリ風。細密な筆致で、シュールレアリスム的な景色を立ち上らせている。

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